そばの栄養

By , 2010/08/06

ホールクロップ(全粒)

■そばはタンパク質、ビタミンB1・B2は穀物中最高で、米・小麦など穀類と比べると 非常に栄養価の高い食べ物です。

■その理由は精製しないでホールクロップ(全粒)として 利用できることです。米・小麦など穀類のほとんどが、栄養たっぷりな胚芽の部分は不味いので 取り除き、胚乳部だけを食べるのに比べ、そばは胚芽に相当する子葉が中心部に位置している ため製粉の過程で胚乳部と一緒に製粉され、また甘皮(種皮)も食用にできるからです。

■通常は玄そばからそば殻を取り除き「丸抜き」にして、甘皮(種皮)・胚乳・胚芽をすべて挽き込んだ 全粒粉をそば粉にしますが、中心部のほとんどデンプン質の粉である「さらしな粉」や甘皮部分の多い 「田舎そば粉」、さらに挽き方や篩(ふるい)で細かく部位を分けた粉をブレンドしたり、そば殻も一緒に 挽き込んだりすることもあります。

 

 

そばの栄養成分


■タンパク質
・そばは穀類の中で一番多くタンパク質を含んでいます。しかもそのタンパク質には 人間の体の中ではつくれない生存に必要な必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
・また、そばのタンパク質は他のタンパク質と違い水溶性なので、加熱しないでそのまま 水に溶いて食べることができます。山野を駆け回る修験者や比叡山千日回峰行の僧侶はそばを持ち歩いて 食べていたそうです。

■炭水化物
・食品の炭水化物は、糖質と食物繊維からなっています。そばの糖質は大部分がでんぷんでその他には 少糖類などがふくまれています。
・また、そばは「GI値」が低い糖質食品として知られています。GI値とは”グリセミック指数 (glycemic index) ”と 言われる糖質食品を摂取した2時間後の血糖値の上昇曲線を基準食品(ブドウ糖を100とする)と比較して 数値化したものです。GI値60以下がダイエットに有効とされ、そばのGI値は58。 GI値の高い食品はインスリンが多く分泌されて、体脂肪の増加を導くのでGI値の低い食品がダイエットの観点から 注目されています。

■食物繊維
・そば粉の食物繊維は不溶性食物繊維が約80%を占め、①便通改善効果や②腸の病気(大腸癌等) の予防効果に有益です。また、水溶性食物繊維を含め、③高脂血症・動脈硬化への予防効果、④糖尿病改善効果等にも 有益な効果が明らかにされています。そば粉100gには4.3gの食物繊維が含まれており、食物繊維の 一日の目標摂取量20gの約22%を充足することができます。

■ミネラル
・そば粉には、マグネシウム(循環器疾患の予防効果がある)、銅(欠乏すると貧血、骨格異常、 毛髪異常などを起こす)、鉄(欠乏すると貧血を起こす)、マンガン(欠乏すると生殖機能の低下や 発育遅延などを起こす、カリウム(血圧を低下させる効果がある)、亜鉛(欠乏すると成長遅延 、皮膚障害、免疫異常などを起こす)など、ヒトの健康維持・増進に深くかかわる元素が多く含まれて おり、これら必須元素の重要な供給源となり得ます。

■ビタミン
・そば粉にはビタミンB1、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビタミンB6などが多く含まれています。 特にビタミンB1は多く含まれ、100gのそば粉で一日の必要摂取量の40%強を供給できます。
・江戸時代に白米を食べるようになりビタミンB1不足で脚気(かっけ:ビタミンB1の欠乏によって 心不全と末梢神経障害をきたす疾患)が流行りました。 江戸患いと言っていたそうです。ところがそばを食べる人はこの病気にかからないので こぞってそばを食べるようになったと言われています。

 

そばの健康成分

■ポリフェノール
・ヒトは呼吸をすることで酸素を体内に取り入れますがその酸素が活性酸素などの過酸化物を生み出します。 この過酸化物で遺伝子が傷つけられて、老化、アレルギー、ガンなどの原因になることが知られています。
また、過酸化物は紫外線により増加することも知られており、オゾン層の破壊が地球的な問題になっています。 動物は紫外線の害を本能的に知って日陰に入ったりして身を守りますが、植物は移動できないため、この紫外線 から身を守るための日傘である防御物質をもっており、これがポリフェノールです。 ポリフェノールは過酸化物を除去できる物質の代表であり、赤ワインがポリフェノールに富むものとして有名ですが、 そばにも多く含まれています。そば粉100gに約400mgのポリフェノールが含まれ、この量は赤ワインのグラス1杯分に 相当しますので、そばは生活習慣病予防のポリフェノールの宝庫ともいえます。

■ルチン
・そばの健康成分としては「ルチン」が特有のものです。ヒトの毛細血管は約5ミクロン(髪の毛の1/10程度) の太さがあり、約8ミクロンの赤血球が変形して通過します。この間に栄養分や酸素を細胞に与え、老廃物や 炭酸ガスを受け取ります。この血管壁の損傷は動脈硬化や様々な血管障害をもたらしますが、ルチンは 血管壁を強くかつしなやかにする効果を持っています。
特にビタミンCと一緒になるとその効果が強まることが知られており、大根おろしなどビタミンCを含む食品と そばを一緒に食べるとより効果的です。
また、ルチンには積極的に血圧を下げる効果や抗酸化作用、血流改善などさまざまな効果が認められています
普通種のそばでは1g中に約1mg、ダッタンソバでは約10倍のルチンが含まれています。欧米の例では脳血管障害を 防止するには30~50mgが必要とされいますが、そば50gで十分な量のルチンが摂取できます。

(参考:「そば打ち教本」柴田書店/「ソバの絵本」農文協

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