そばの秘密!?

ヒミツその1「そばの栄養パワー!」

①そばは実を全部食べる「全粒食」だから栄養豊富。

そばはタンパク質、ビタミンB1・B2は穀物中最高で、米・小麦など比べると非常に栄養価の高い食べ物です。

その理由は精製しないで全粒食ホールクロップとして利用できるこ とです。
米・小麦など穀類のほとんどが、栄養たっぷりな胚芽の部分はまずいの で取り除き、胚乳部だけを食べるのに比べ、そばは胚芽に相当する子葉が 中心部に位置しているため製粉の過程で胚乳部と一緒に製粉され、またタ ンパク質や食物繊維に富む甘皮(種皮)も食用にできるからです。

 

②タンパク質は米以上、良質な炭水化物と脂質、修験者の命の糧。

比叡山延暦寺の「千日回峰行」は7年間をかけて1000日の間で地球1周に匹敵する4万Kmにも及ぶ距離を歩きます。
一連の行の中でそばが登場するのは、9日間の 断食・断水という超人的な苦行に入る直前に「五穀断ち」 が100日間行なわれます。
この間修験者はそばと少量の水以外はいっさい口にしません。この期間に、その後の厳しい修行に耐え得るだけの肉体と精神力を養うそうです。

そばは、穀類の中でタンパク質を一番たくさん含んでお り、そのタンパク質には人間の体内ではつくれない、しかも生きていく上で必要な必須アミノ酸がバランスよ く含まれています。また、良質な炭水化物や脂質も含まれており、そばだけで生きていく上での最低限の栄養 がとれます。

日本で昔から食べられている米と豆腐や味噌などの大豆食品もバランスのいい組み合わせです が、そばはひとつだけでその役割をはたします。まさに、そばは「命の糧」なのです。

 

③ビタミンも豊富、江戸患いを救ったそば。

そば粉にはビタミンB1・B2、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビタミンB6などが多く含まれています。

特にビタミンB1は多く含まれ、100gのそば粉で一日の必要摂取量の40%強を供給できます。ビタミンB1はデン プンの分解を助ける栄養素で脂肪代謝促進効果もあります。B2は脂質の代謝に働きます。ビタミンBの不足で 脂質の代謝がうまくいかないと脂質がエネルギーとして利用されなくなり肥満の原因にもなります。

江戸時代に白米を食べるようになりビタミンB1不足で脚気(かっけ:ビタミンB1の欠乏によって心不全と末梢神経障害をきたす疾患)が流行りました。江戸患いと言っていたそうです。ところがそばを食べる人はこの 病気にかからないのでこぞってそばを食べるようになったと言われています。

 

 

ヒミツその2「そばの健康パワー!」

①生活習慣病を防止する「ポリフェノール」が豊富。

ヒトは呼吸をすることで酸素を体内に取り入れますがその酸素が活性酸素などの過酸化物を生み出します。
この過酸化物で遺伝子が傷つけられて、老化、アレルギー、ガンなどの原因になることが知られてい ます。
また、過酸化物は紫外線により増加することも知られており、オゾン層の破壊が地球的な問題となっています。

動物は紫外線の害を本能的に知って日陰に入ったりして身を守りますが、植物は移 動できないため、この紫外線から身を守るための日傘である防御物質をもっており、これがポリフェ ノールです。
ポリフェノールは過酸化物を除去できる物質の代表であり、赤ワインがポリフェノール に富むものとして有名ですが、そば粉100gに約400mgのポリフェノールが含まれ、この量は赤ワインのグラス1杯分に相当します。そばは生活習慣病予防のポリフェノールの宝庫ともいえます。

 

②血管を強くする「ルチン」を含む食品はそばだけ。

そばの健康成分としては「ルチン」が特有のものです。
ヒトの毛細血管は約5ミクロン(髪の毛の1/10程 度)の太さがあり、約8ミクロンの赤血球が変形して通過します。この間に栄養分や酸素を細胞に与え、老廃物や炭酸ガスを受け取ります。

この血管壁の損傷は様々な血管障害をもたらしますがルチンは血管壁を強くかつしなやかにして動脈硬化や脳溢血などを予防する効果を持っています。特にビタミンCと一緒になるとその 効果が強まることが知られており、大根おろしなどビタミンCを含む食品とそばを一緒に食べるとより効果的 です。また、ルチンには積極的に血圧を下げる効果や抗酸化作用、血液をサラサラにする血流改善などさまざ まな効果が認められています。

そば粉には1g中に約1mgのルチンが含まれています。欧米の例では脳血管障害を防止するには30~50mgが 必要とされいますが、そば50gで十分な量のルチンが摂取できることになります。

 

 

ヒミツその3「そばのダイエットパワー!」

①抜群の栄養バランスはダイエットに不可欠。

肉や油、砂糖がたっぷりの欧米型の食生活でメタボリック症候群をはじめ様々 な生活習慣病や肥満が蔓延しています。
身近で日本の伝統食であるそばは、これ までご紹介してきたように穀物の中でも群を抜いて栄養バランスが良くヘルシーでダイエット効果も高い食品です。ダイエットにはカロリーコントロールも大切ですが、まずは健康で栄養バランスに気をつけた食生活が不可欠です。

 

②豊富な食物繊維はダイエットの強い味方。

そばの食物繊維は不溶性食物繊維が約80%を占め「便通改善効果」や「大腸癌等の予防効果」に有益です。
この不溶性食物繊維は膨張して長く胃の中にとどまるため満腹感が長続きし食べ過ぎを防ぐことができます。 また様々な有害物質を吸着して体外へ排泄を促す「デトックス効果」も高いといわれています。
さらに、水溶性食物繊維を含め、「高脂血症・動脈硬化への予防効果」「糖尿病改善効果」等にも有益な効果が明らかにさ れています。

そば粉100gには4.3gの食物繊維が含まれておりその量は白米の約8倍にもなります。そば一食で食物繊維 の一日の目標摂取量20gの約22%を充足することができます。

 

③そばは「低GI食品」の優等生。

そばは「GI値」が低い糖質食品として知られています。
GI値とはグリセミック・インデックスと言われる 糖質食品を摂取した2時間後の血糖値の上昇曲線を基準食品( ブドウ糖を100とする)と比較して数値化したものです。

GI値60以下がダイエットに有効とされ、そばのGI値は58。GI値の高い食品はインスリンが多く分 泌されて、体脂肪の増加を導くのでGI値の低い食品がダイエットの観点から注目されています。 そばはダイエットを手助けする「低GI食品」の優等生なのです。

 

いかがでしたか?

日本の伝統的な食文化である「そば」を、あなたがメタポや生活習慣病とは無縁の 健康的な生活を送るための一助としてご活用いただければ幸いです。